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給付金・支援制度

リスキリングに使える給付金・支援制度まとめ【2026年版】教育訓練給付・休暇給付金・キャリアアップ支援事業

社会人の学び直しで受講費用や生活費を支える公的制度を整理。教育訓練給付制度の3種類の給付率と上限、2025年10月に始まった教育訓練休暇給付金、経済産業省のキャリアアップ支援事業の違いと申請の注意点を解説します。

スクールや講座で本格的に学び直そうとすると、受講料が数万円から数十万円かかることも珍しくありません。ただ、条件を満たせば受講費用の一部、場合によっては大半が公的制度で戻ってきます。

一方で、こうした制度には「受講を始める前に手続きが必要」「対象講座が決まっている」といった落とし穴があり、知らずに申し込んで対象外になる人も少なくありません。

この記事では、個人が使える主な制度を3つに絞り、それぞれの対象者、もらえる額、手続きの注意点を整理します。情報は2026年11月時点で、厚生労働省・経済産業省の公表資料をもとにしています。

まず全体像:3つの制度の違い

最初に、3つの制度の違いを表で整理します。

制度 何が支援されるか 主な対象者 窓口
教育訓練給付制度 指定講座の受講費用の一部(20%〜最大80%) 雇用保険に一定期間加入している在職者・離職者 ハローワーク
教育訓練休暇給付金 無給の休暇を取って学ぶ間の生活費(基本手当相当額) 雇用保険の被保険者期間が5年以上の在職者 ハローワーク
リスキリングを通じたキャリアアップ支援事業 キャリア相談、講座の受講費用の一部、転職支援 転職を目指す在職者 経済産業省の補助を受けた事業者

ざっくり言えば、受講費用の支援なら「教育訓練給付」、学ぶ時間(休暇中の収入)の支援なら「教育訓練休暇給付金」、転職まで見据えるなら「キャリアアップ支援事業」という使い分けです。

教育訓練給付制度:受講費用の一部が戻る

教育訓練給付制度は、雇用保険の加入者などが、厚生労働大臣の指定を受けた講座を受講・修了した場合に、受講費用の一部が支給される制度です。対象講座は、資格の取得講座、ITやデータ分析の講座、大学・専門学校の課程など多岐にわたります。

3種類の給付率と上限額

講座のレベルによって3種類に分かれ、給付率と上限額が異なります。2024年10月1日以降に受講を始めた人は、次の給付率が適用されます。

種類 基本の給付 追加給付 最大
一般教育訓練 受講費用の20%(上限10万円) なし 20%(上限10万円)
特定一般教育訓練 受講費用の40%(上限20万円) 資格取得などをして修了後1年以内に就職等した場合、10%(上限5万円) 50%(上限25万円)
専門実践教育訓練 受講費用の50%(年間上限40万円) 資格取得などをして就職等した場合、20%(年間上限16万円)。さらに賃金が受講前より5%以上上がった場合、10%(年間上限8万円) 80%(年間上限64万円)

専門実践教育訓練は、大学院や専門職大学院、一定の専門学校の課程など、中長期のキャリア形成につながる講座が対象です。受講期間が複数年にわたる場合は、年ごとに上限が設定されます。

なお、一般教育訓練で計算した支給額が4,000円を超えない場合は支給されません。数千円程度の講座は対象外になりやすい点に注意してください。

対象になる人

基本的な条件は、受講開始日の時点で雇用保険の被保険者期間が一定以上あることです。

  • 一般教育訓練・特定一般教育訓練:被保険者期間が3年以上(初めて利用する場合は1年以上)
  • 専門実践教育訓練:被保険者期間が3年以上(初めて利用する場合は2年以上)

すでに離職している場合でも、離職からの期間が一定以内(原則1年以内)なら利用できます。妊娠・出産・育児・病気などで受講を始められなかった場合は、期間を延長できることがあります。

前回の給付から一定期間が空いていない場合は利用できないため、過去に使ったことがある人はハローワークで確認してください。

申請の流れと注意点

申請の流れは種類によって異なります。特に特定一般と専門実践は、受講を始める前の手続きが必須です。

種類 受講前 受講後
一般教育訓練 事前手続きは不要 修了日の翌日から1か月以内にハローワークで支給申請
特定一般教育訓練 受講開始日の1か月前までに、訓練前キャリアコンサルティングを受けてジョブ・カードを作成し、ハローワークで受給資格の確認を受ける 修了後に支給申請(追加給付は別途申請)
専門実践教育訓練 同上(受講開始日の1か月前までに手続き) 受講中は6か月ごと、修了後にも支給申請

よくある失敗は、「講座に申し込んでから制度を知り、事前手続きの期限に間に合わない」というケースです。特定一般や専門実践の講座を検討している場合は、受講開始日から逆算して、少なくとも1か月半〜2か月前には動き始めましょう。

対象講座かどうかは、厚生労働省の「教育訓練講座検索システム」で講座名やスクール名から調べられます。スクールのサイトに「給付金対象」と書かれていても、コースによって対象外のことがあるため、必ず講座単位で確認してください。

教育訓練休暇給付金:休んで学ぶ間の収入を支える

2025年10月1日に始まった新しい制度です。働く人が、勤務先の就業規則などで定められた無給の教育訓練休暇を取って学ぶ場合に、雇用保険から生活費にあたる給付を受けられます。

これまでは「仕事を辞めないとまとまった時間を取って学べない」という人が多かったのに対し、在職したまま休暇を取って学ぶ選択肢を支える制度です。

主な要件

  • 雇用保険の被保険者であり、被保険者期間が5年以上あること
  • 労働協約や就業規則などに基づく教育訓練休暇であること(本人が申し出て、会社が承認したもの)
  • 休暇が無給であること
  • 30日以上の教育訓練休暇であること(分割して取得することも可能)
  • 大学・大学院・専門学校など、または教育訓練給付の指定講座を持つ機関などでの教育訓練であること

給付額と給付日数

給付額は、離職したときに受け取る雇用保険の基本手当(いわゆる失業手当)と同じ考え方で計算されます。給付日数は被保険者期間に応じて90日・120日・150日のいずれかです。

被保険者期間 給付日数
5年以上10年未満 90日
10年以上20年未満 120日
20年以上 150日

この制度を使うには、勤務先に教育訓練休暇の制度があることが前提です。まずは就業規則を確認し、制度がなければ人事部門に相談してみてください。会社側が休暇制度を導入する際に使える助成金(人材開発支援助成金の一部のコース)もあります。

リスキリングを通じたキャリアアップ支援事業:転職まで一体で支援

経済産業省が実施している事業で、在職者がキャリア相談を受け、リスキリングの講座を受講し、転職するまでを一体的に支援するものです。国から補助を受けた民間事業者(スクールや人材サービス会社など)を通じて利用します。

受講費用の補助は、講座の修了時に受講費用の2分の1(上限40万円)、さらに転職して1年間継続して働いた場合に5分の1(上限16万円)が追加され、合計で最大70%(上限56万円)という仕組みが一般的に案内されています。

利用時の主な注意点は次のとおりです。

  • 補助を受けている事業者が提供するプログラムでなければ対象にならない
  • 受講の前にキャリア相談を受けることが前提になっている
  • 事業者ごとに、対象者の条件、募集時期、講座の内容が異なる

「転職するつもりはないが、スキルだけ学びたい」という場合は、教育訓練給付制度のほうが合っていることが多いでしょう。逆に、転職を本気で考えていて、キャリア相談から伴走してほしい人には相性の良い制度です。

会社員なら確認したい:勤務先の支援と税金の控除

個人向けの制度とは別に、勤務先が独自に学習費用を補助していることも少なくありません。企業は、従業員に訓練を受けさせる場合に国の助成金(人材開発支援助成金など)を利用できるため、会社にとっても負担を抑えながら支援できる仕組みになっています。

「この講座を受けたい」と人事部門や上司に相談すると、会社負担や業務時間内での受講が認められることもあります。学ぶ内容が今の業務に関係しているなら、まず社内に相談してみる価値はあります。

また、会社員が自腹で職務に関係する研修や資格取得の費用を払った場合、一定の条件を満たすと「給与所得者の特定支出控除」の対象になることがあります。ただし、支出の合計が給与所得控除額の2分の1を超える必要があるなど条件が厳しく、勤務先の証明も必要です。適用できるかは、税務署や税理士に確認してください。

どの制度を使うべきか:目的別の選び方

最後に、目的ごとにどの制度から確認すればよいかをまとめます。

あなたの状況 まず確認したい制度
働きながら、資格講座やオンライン講座を受けたい 教育訓練給付制度(一般・特定一般)
大学院や専門学校で1年以上本格的に学びたい 教育訓練給付制度(専門実践)、教育訓練休暇給付金
会社を休んでまとまった期間学びたい 教育訓練休暇給付金(勤務先の休暇制度を確認)
異業種・異職種への転職を前提に学びたい リスキリングを通じたキャリアアップ支援事業、教育訓練給付制度
今の業務に直結するスキルを学びたい 勤務先の研修支援制度

制度は年度ごとに見直されることがあり、細かな条件は個人の状況によって変わります。申し込む前に、必ずハローワークや各事業者に確認してください。どのスキルを学ぶかがまだ決まっていない場合は、先にリスキリングの始め方で目的と学ぶスキルを整理しておくと、制度選びもスムーズです。

確認先(2026年11月時点)

  • 厚生労働省「教育訓練給付制度」、リーフレット「令和6年10月から、専門実践教育訓練給付金・特定一般教育訓練給付金を拡充します」
  • 厚生労働省「教育訓練休暇給付金」(2025年10月1日創設)
  • 経済産業省「リスキリングを通じたキャリアアップ支援事業」
  • 国税庁「給与所得者の特定支出控除」
まはろRe:Skill Blog 運営者・編集責任者

約11年にわたり、大手から中堅・中小企業まで事業戦略とマーケティングの支援に携わってきました。現在は個人や中小企業の支援に軸足を移し、現場で使える学び直しの情報を発信しています。

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